2020年9月4日(金)開催 於:学士会館

開会の辞

理事長 岩田 敏 先生

岩田敏先生

講演1.医薬品再審査制度/適合性調査の状況及びRWDの活用について

山口 光峰 先生

講演2.命かオカネ?命とオカネ?-パンデミック時代のくすりの費用対効果とは-

五十嵐 中 先生

(要旨) これまで日本では、皆保険制度のもとほぼすべての薬が保険給付されており、オカネの話はタブー視されてきた。しかし高額薬剤の相次ぐ上市により、同じ条件ですべての薬をカバーするシステムの持続可能性とともに、薬の費用対効果・効率性が広く議論されるようになった。2010年から、ワクチンの定期接種化に際しては、安全性や有効性に加えて、費用対効果のデータも要求されている。医療の費用対効果は費用の増減だけを見るのでなく、増えた費用に見合った効き目があるかどうかを、増分費用効果比ICERという指標で評価する。効き目には、QOLで重み付けした生存年・QALYが共通のものさしとして繁用される。予防は治療よりもつねに効率的である…のような誤解もあるが、予防の費用対効果は、その有病率に大きく依存する。定期接種化のためには、日本での有効性・QOL・血清型やジェノタイプ分布など、さまざまなデータが不可欠になる。