ー薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン 5. 研究開発・創薬(GCP, 開発の問題点)ー
開会の辞
理事長 岩田 敏 先生
講演1.ICH E17ガイドラインは医薬品の国際共同開発をどのように変えるか?
小宮山 靖 先生
(要旨)ICH E17ガイドラインのトレーニングマテリアルが、2019年8月末ころ公表の見込みである。MRCT(Multi-Regional Clinical Trials)に関係するパラダイムがLocal first paradigmからGlobal first paradigmにシフトする。効果修飾因子の類似性、効果修飾因子の分布の類似性に着目して、国/地域や患者をグルーピングする併合戦略が提案されている。特定された効果修飾因子を用いて、国・地域間の反応性の違いを説明する努力をするべきである。
講演2.AMR感染症治療薬開発の課題と提言
大毛 宏喜 先生
(要旨)通常の検査で検出されない海外から侵入するステルス株が存在する。耐性遺伝子がプラスミド上ではなく染色体上に存在する株や、複数の耐性遺伝子を併せ持つ株も見つかっている。薬剤耐性菌の広がりは過去にない状況で、サーベイランスの強化が不可欠である。また原料の海外依存による現状の流通では国家的危機の可能性もあり、企業と学会協働での新規薬剤の開発が急務である。